暮らしのワンポイントアドバイス(建築編)

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池田正次 ●一級建築士 (スプーンハウス)

 私たちは誰BUT でも休みをとります。「休む」とは、寝ることのほかに頭を休ませるためにただボーッとしたり、読書をしたり、テレビを見たり、音楽を聴くことなどなど…

 そして、「休」という漢字に注目しますと、にんべんに木という構成になっていますよね。
これは、人は木の近くで休むものであるということを表しているのではないでしょうか。ということで、休むための部屋にはどんなところにでもいいから、「木」の素材を意識して使うとイイでしょう。
整理ダンスや本棚等の家具を木製にしたり、床を板張りにしたり…、木のもつ暖かみ・柔らかさ・優しさなどが伝わってくるようにすると、よく休むことができます。
1日24時間の中で寝る時間も含めて休んでいる時間を考えてみると、かなりの時間であることに気付くでしょう。人によって様々ですが、1日の3分の1ぐらいは休んでいるのではありませんか。これはかなり大きな割合を占めているといえます。
ですから、その場所を重要に扱い、気を配るべきだと思います。たとえば、遮音・防音に気をつけたいですね。外からの騒音や雑音が入ってこないように、(外に対して音を出さないように)天井・壁・床を防音仕様としたほうがいいでしょう。
BUT しかし費用がかなりかかりますので、簡易的に隣に部屋のある方の壁面に家具を配置したり、マドにはカーテンを掛けたりします。ブラインドは、カッコはいいのですが掃除がしにくいですし、断熱効果・防音効果もありません。
それから照明にも気をつけたいものです。蛍光灯と白熱灯の2種類があり、どう使いわけるかによって、部屋の雰囲気がまったく違ってきます。
くつろぎ重視の休みの部屋には、やわらかで落ち着きのある雰囲気をつくる白熱灯がイイのです。

 そしてもう1つの提案です。ゆったりと広い部屋でリラックスできるならいいのですが、狭い日本の家屋ではそれを望むのは無理なのかもしれません。
そこでミラーを上手に使って部屋を広く見せることができます。1つの壁の全面や床から天井までの大きなクローゼットの扉全面にミラーを張ってしまうことです。ミラーの面積が大きいほど隣にもう1部屋あるような錯覚を起こさせることができます。
BUT しかしそのような壁面がない場合は、天井のすぐ下の部分50㎝ほどの一面をミラーにしてしまうと天井や天井の照明がミラーに映りこみ、部屋の上部に広がりが感じられます。このようにして部屋を広く見せる工夫をすることにより、「休み」の空間創りをしましょう。試してみてください。