「アリ達の世界」

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山根清眠  ●会社経営 (51) 

新幹線東京駅地下通路を歩いていた時だった。
「まるでアリの世界みたいだ。」
後ろの方から50歳代の男性の声が聞こえてきた。
「本当に人間が右往左往してるだけみたいだ。」
もう一人の男性の声が聞こえた。
そう言えば正にその通りだと思った。

でも待てよと思いながら、アリ達の世界を思い出してみた。
テレビで見た覚えがある。
アリ達が冬の為に一生懸命餌を巣に運び入れている姿だった。
あれだけごった返してはいても全てがスムーズに運んでいるように見えていた。
そして全員がひとつの目的にむかって動いているように見えていた。

そんな事を思い出しながら、・・・
でもやっぱりアリよりは人間の方が当然全てに亘って上でしょう、そんな思いで改札口へ急いだ。