金八世代 ●会社員 (36)
小さな頃から父親は遠い存在だった。
記憶では父は若いときは組合運動に熱中し、組合運動から離れて管理職になってからも、会社のテニス部やら仲間内でのマージャンに興じたりと子供だった私とはあまり接点がなかったように記憶している。
母が生きていた頃は子供の頃からの延長で、父親と直接向かい合うことはあまりなかった。
それでも就職して一度父親に声をかけて二人で外で食事をした。
今その母もいない中で否応なく父と直接向かい合っている。
例え住む場所は違っても直接向かい合わざるを得ない。
自分がそうであるように、父親とは何であるのかを自分自身に問い掛けるように。