不言実行

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祐衣   ●主婦(50)

世の中には色々な人がいる。
一人一人をよく見れば、皆個性的。
集団の目指す目的を達成する時には、その個性を消さなければならない事もある。
ルールに則り、目的達成のために力を合わせなければ、良い結果は得られない。
個人に戻った時には、その制約は外れ自由な思いに浸れる。
だが、一人暮らしをしていない限り、家庭の中にも暗黙のルールは存在する。
暗黙のルールは、暮らしの中で自然と発生したものだろう。
なんとなくそれぞれの習慣に従っていて不都合が起きないから、そうなっていると言う曖昧模糊としたもの。
人が何かを始める時に、「今日から~を始めます」と宣言することはあまりない。
家庭生活の大半は「不言実行」ところが不都合が起きた時に、話し合いの結果習慣を改めようと決める。
「明日からは~にしよう」と皆で決定する。
「有言実行」の時だ。
決めたからには、親であれ子供であれ、それに従わなければ不都合が起きる。
言ったことをしないのは、「言動不一致」と呼ぶ。
特に親がルールを無視した場合、親の「言動不一致」に子供は混乱する。
子供にばかりルールを守る事を要求し、自らが守ろうとする姿勢を見せない時に、子供は親への不信感を抱く。
もちろん、どうしても守れない場合もあるだろう。
その時は親と言えども、謙虚な姿勢を取り謝罪説明しなければ、一層子供の不信感は募る。
これを「説明責任」と言う。
「不言実行」「有言実行」「説明責任」どれも社会で働く場合に欠かせない物ではないのだろうか。
そんな難しい言葉を使わなくても、自然と家庭の中で身に付けられる物ばかり。
今の社会を見ていると、「言動不一致」で「説明責任」を放棄したような大人ばかり。それでは良い子に育てと言うほうが無理。