ハル ●学生(23)
個人名が公になり、その家族の動向が報道されるなかで、このような最後があっていいはずがない。
ある記事に、この心優しい家族のもとで育ち、他人の良心を疑わないこの青年について書いてあった。
世界についてもっと知りたい。
彼の世界への信頼はこのようなかたちで裏切られてしまった。
彼の失望は如何ほどのものであったか。
それとも、目前の風景は世界の一事象に過ぎないと、信じ続けているだろうか。
すいませんでした。
あと、また日本に帰りたいです。
謝る必要なんてない。
むしろ謝罪すべきなのは、彼にこの一事象を突きつけた世界を成す我々である。
願わくば、彼の母親にはこの現実を見せたくない。
BUT 誰よりもこの惨劇を直視し、再び心優しいメッセージを伝える彼女の心持ちよ。
彼の笑顔が多く人の心に残りますように仮に再び生を受けたならやはり世界を知って良心と美しさによって満たされますようにご遺族の心痛を思うと共に、彼のご冥福を心よりお祈り申し上げます。