春はそこまで

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鯉太郎 ●会社員(53)      

野球狂の私にとってはオープン戦の始まるこの頃になるとやはりこころは浮き立ってくる。
この前のロッテとのオープン戦で見せてくれたカープ河内の好投、すばらしいの一言につきる。
4回をパーフェクトである。
それに若い選手達がそれぞれに力を発揮して。選手の成長を見ることができる時が一番の幸せな時である。
そして最後の締めはやはり新井選手だった。
九回の裏一点ビハインドで打席に立った新井選手がこれぞ四番の仕事とばかりにライトへ見事なホームランを放って見せた。
大先輩の金本選手が抜けた途端である。
重石でも取れたように頼もしい選手に生まれ変わってくれていた。
人は心の持ちようであんなにも変われるということを彼はその雰囲気のなかで見せてくれていた。
頼もしいかぎりである。
カープの今春の開幕戦は神宮球場でのヤクルト戦である。
その開幕戦の入場料が確か25年前の料金になるとのことである。
そしてそれもその開幕戦の一試合のみとか。
そこまでセットしてくれるのなら、これはもう出掛けるしかあるまい。
あと一ヶ月、また興奮の日々が始まろうとしている。