「初老」

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山根青眠  ●会社経営(53)

初老、その言葉が年齢的にどの辺を指しているのか考えたこともないが、確か私の父親はちょうど40才になった時、その言葉を題目にして随筆を書いていたのを覚えている。
社内報に載っていた父親の「初老」の中味までは覚えていないが、一緒に載っていた顔写真の雰囲気はおぼろげながら思い出せる。
自分自身がその初老とかの段階をはるかに超えているなかで、当時の父親の顔写真と比べてみると、まだまだ父親の持っていた落ち着きもなければ知的な雰囲気もないかも知れない。
しかし高齢化社会が進む中で今から老けていては先が思いやられると言うのが偽ざる思いである。
それにしても公的にも私的にも今後を保障する制度自体に構造的な問題が山積する中で、いわゆる「老後」を生き抜いていくのは大変なことと予想される。
私自身は老後など必要とは考えていない(身体がついて行ってくれることが大前提ではあるが)が、現実の問題としてこれからの我々には老後という言葉自体死語になる日も近いのかも知れない。