「不気味な独り言」

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退化する人達  ●会社員(48)

電車の発車を待っていた時だった。
後ろの方から、ぼそぼそと人の声が聞こえて来た。
これはまた最近流行?の男の独り言かと振り向いた。
見ればそうではなかった。
男が携帯電話で話しているのだった。
まだ電車の発車には時間があった。
そんな時なら電車の外で話していればいいものを。
しかも少しは悪いと思っているからだろう。
ちいさな声がそれを証明していた。
さらには話の中味がお粗末だった。
あれでは電車に乗っている人達のなかでただ恥をかいているだけだ。
使うものは進歩しているようだが使っている人はただ退化しているだけと言われても仕方あるまい。
寒い日の寒々とした一つの風景だった。