足軽 ●会社員 (49)
仕事で秋田に出かけたことがあった。
東京から飛行機で向かった。
搭乗する前に聞いていた通り、山脈を越えるとき気流がかなり乱れて、機体は大きく落ちていった。
いつ乗ってもこれだけは気持ちのいいものではなかった。
仕事を終えて、夜は秋田の人と酒盛りになった。
とにかく皆良く飲んだ。
徳利がテーブル全体を占拠してしまっていた。
翌日皆はゴルフに出かけていった。
私は前の夜の酔いにいつまでも寝入っていた。
目が覚めて熱いシャワーを浴びた。
一人市内の散策に出かけた。
こんな時、かならず足を向けるところがあった。
その名を久保田城と言った。
清掃の人を見つけて声をかけた。
佐竹氏の居城だとのことだった。
何故か石垣のないのに気付いて聞いてみた。
当時の財政事情によるとのことだった。
続く