「水晶採り」

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羽田治 ●会社員 (47)

小学4年の頃だった。
休みの日には遊び仲間と水晶採りに行った。

岩山を登りながら、木の実を採っては、そのまま口に入れた。

食べれる木の実については先輩からすでに教わっていた。

水晶採りが終わったところで、次には一番の楽しみが待っていた。
各自針葉樹の小枝を切って集めた。

集めた小枝を束ねてお尻に敷いた。
そしてそのまま岩山の山肌を、滑り落ちていくのだった。

ゴツゴツとした山肌を奇声を発しながら滑って行った。
最後に出っ張った岩肌のところで、大きく落下していった。
スリルがあった。

いつものように又半ズボンが擦れてそして汚れていた。
家に着くと又いつものように母親から怒られた。

半ズボンは洗濯されて、補修されるのだった。
母親の毎度の仕事になっていた。