「日課」

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斎藤忠  ●会社員 (42)

小学生の頃の生活は、それは規則正しいものだった。

学校に行く前に、早起きして弟と二人で自分達の部屋と一階につづく階段と一階の板の間の掃除をすることが私に任された日課だった。
先ず、ほうきでゴミを掃いてから、板の間は雑巾で拭いて仕上げである。

それが終わって、歯を磨き、顔を洗ってからやっと朝食にあり付けた。

その外にも、いろいろ私たち兄弟には役割分担が決まっていたと思う。

それに毎月一回は家族会議があった。
父母と私たち兄弟の四人構成である。
司会は弟と交代でやったと記憶している。
そこで色んなことが決定されていったのである。

今から考えれば、小さな時から自分の役割を責任を持って全うする人間になって欲しいと言う父母の願いが込められていたのであろう。
その期待に今応えられているのか、それには少し疑問符がついているようには思うが。