「魚のつかみ取り」

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島村~  ●会社員(47) 

小さい頃、田舎にいた私が夏休みにやった遊びでよく覚えているのが魚のつかみ取りだ。

サッカーボール大の石がゴロゴロしていた川の急流に入り込んで、石のかげに潜んでいる魚をまさに手探りで捕まえるのだ。

魚達は速い川の流れを避けて、石のかげに潜んでいた。
その石のかげに手を入れて、指に触れる魚の感触を感じながら、掴み取る。

麦わら帽子に半ズボンの格好で夢中で指の感じだけで魚を捕まえる。

小学生の私につかまる様な魚がいたんだと今から思えば不思議な気もする。

まだまだのどかな田園風景の残る時代のことである。

人間の世の中も世知辛くなってしまった分、魚の世界も同じようになっているとしたら今ではそうそうつかみ取りできるような魚も姿を消してしまったかも知れない。