山根青眠 ●会社社長(51)
他愛もない会話を続ける中で
僕には君の言いたいことわかっていたよ。
「昨日のことごめんなさい。まだ怒ってる?」
君の目は僕にそう語りかけていた。
そう、そして僕の目を食い入る様に見ていたよね。
僕は前にも君に話したことがあるよね。
人を好きになるって、
その人の全てをまず受け入れてみることだって。
僕の話したこと、君はもう忘れたのかな。
昨日のこと僕は怒ってなんかいないよ。
本当言うとね、少しだけ淋しかったけど。
でも次の日きっと君はいつものように
いつもの笑顔で僕に微笑みかけてくるって
僕はそう思ってた。
君が真っ直ぐ僕の方を向いて
大きな目で話しかけてきた時
全てがなんでもなかったことを教えてくれた。
人はたぶんこうして
こんなちょっとした行き違いを繰り返しながら
たぶんその前よりももっと
理解しあえるこころをお互いに持つことが
できるようになるんだろうね。