映画 東京オリンピック
64年アジアで初めて開かれた東京オリンピックの公式な記録映画として市川こん監督の下で作成された。
中学生だった私もその映画のことは印象的にその場面、場面で覚えている。
最初のイメージとしては、記録映画の名前の通りのものが出来上がるものとの認識でいたが、実際に完成したものは記録映画というよりも芸術的な映画と言う
感じを受けた。
スタートのピストルの合図を待つ間の陸上選手の鼓動が直接聞こえて来るようなシーンが画面いっぱいに映し出されていた。
スタジアムの観客席から見ているだけでは感じることの出来ない、個々の選手のスタートまでの緊張感を目一杯伝えてくれる映像だった。
マラソン競技で途中走りを止めて路肩に座り込み、ジェスチャーで水を求める選手、あるいは歩道から一生懸命声援を送る少年、その少年の顔が何故か未だに
記憶の中に残っている。
少年の彼にとっては一生の宝物と言うか立派な記念映画になっているはずだ。
これが小さかったころの父さんだって、自分の子供に自慢げに見せているのかも知れない。
それにしても不思議と言えば不思議ではある。
半世紀を過ぎた今BUT 沿道で応援するその少年の表情は鮮明に覚えているのだ。
マラソンのアベベ選手の完走後の余裕ある姿、重量挙げの三宅選手の勇姿、重量挙げで試技成功のあと片足立ちしておどけて見せていた選手もいた。
ただ、全体を通じて選手の緊張感やあるいは苦悩と言った個々の表情を追求する姿勢が貫かれていた。
それから、忘れられない競技として、女子バレーボールがある。
東洋の魔女と称され、河西キャプテンのもと見事、ロシアを破っての優勝だった。
あと覚えているのはサウスポーの宮本選手、あのサーブする姿ははっきりと思い出される。
あとは、閉会式での各国選手が入り乱れての行進もオリンピックの精神にふさわしい友好をたたえるに充分な感動のシーンであった。
最後に、古関ユウジ作曲のオリンピックマーチを挙げておこう。
行進曲として強烈に今でも記憶に残っている。
そんなオリンピックがまた東京に戻って来る。
今度はどんな興奮を、感動を与えてくれるのだろうか。
そのオリンピックの精神の元、世界に真の平和が訪れることを祈るものである。
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『東京オリンピック』(とうきょうオリンピック、Tokyo Olympiad)は、1964年の東京オリンピックの公式記録映画。市川崑が総監督を務めた。
総監督を務めることになった市川崑は、自身とその妻で脚本家の和田夏十の名コンビに加え、新鋭脚本家の白坂依志夫と詩人の谷川俊太郎という布陣で、そもそも筋書きなどはないはずのオリンピックのためにまず緻密な脚本を書き、これをもとに壮大なドラマである『東京オリンピック』を撮るという制作手法をとった。