大島課長 ●会社員(49)
今でも現役のエレキバンドである。
毎年来日しては、なつかしいサウンドを聞かせてくれる。
大阪のフェスティバル・ホールへ、中野サンプラザへと毎年のように足を運ぶ。
確か49年シアトルでデュエットバンドとして当初はボブさんとドンさんの二人でスタートしたと記憶している。
私も途中失礼したことはあったが、毎年のように足を運んでいるほうだと思う。
だいたいは一人で聞きに行く。
同じ思いでないと誰かと一緒に行っても楽しくないからである。
「ウォークドントラン」「パイプライン」「ダイヤモンドヘッド」。
高校生の頃に聞いたサウンドがたまらない、なつかしいと言う一言では言い表せないなにかがある。
音が自分の体を突き刺してくる。それが分かる。
それに「十番街の殺人」。
涙でステージがかすれてしまうほどの興奮を覚える。
一ヶ月前にチケットを買って、いつも持ち歩く。
そしてまだか、まだかとチケットを取り出しては眺める。
一年間待ち続けた思いがそうさせるのであろう。
「やっぱりいいのはベンチャーズ」、そんな思いでの30年である。
ベンチャーズのサウンドに酔っている時の自分と、30年前の自分とどこに違いがあるのだろうって考える。
「エレキをやってる奴は不良だ」と言われ、エレキ歌合戦に学校には内緒で出た先輩が停学処分になったこともあった。
でも学校の文化祭では、その先輩がリードギターを務めるバンドには熱狂的な歓声が沸いたものである。
先輩がものすごく輝いて見えた。
あの頃の素直な憧れの気持ちは、今でも自分の中でどこかに生き続けている気がする。
そして最後の締めは?もちろん「キャラバン」。