「遠い空の向こうに」　（９９年米国映画）

父子鷹　　●会社員（??）　

「遠い空の向こうに」　

知り合いに薦められてビデオでこの映画を見た。
５７年ソ連がスプートニクを打ち上げ、それに触発された少年達が
ロケット制作に夢を託す話である。
その過程で炭坑夫の父と少年の対立が始まる。
どこにでもあるような父子の対立。
これは私にとっても他人事ではない話である。

父子のこころの行き違いは解消されることなく、
ドラマは進行していく。
もともと涙腺の弱い私にとっては、ある意味酷な映画である。
情けない話ではあるが、
とにかく最初の段階からタオルが必要な状態であった。

少年達は苦労の末、見事ロケット打ち上げに成功する。
そのロケット打ち上げのお披露目に村の人たちも駆けつける。
その中に少年の母親の姿はあったが、父親の姿はなかった。
少年は集まってくれた人たちに向かって、挨拶を始めた。
挨拶をするその少年にとって、その場にいて打ち上げを見て欲しい人が一人いた。
そう、あれだけ対立していた父であった。
父にこそ見て欲しいのであった。
父と子、理屈だけでは片付けられない関係。
父と子の心の絆は、でもしっかりと結ばれていた。
父が姿を現したのだった。
ロケットの打ち上げを父子ならんで見上げながら、
その時父の手は少年の肩にそっと添えられていった。

その少年達は実在し、その後米国宇宙局で活躍したとのことである。

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