まうまう ● SOHO (40)
本棚を整理して、あまりに本の少なさにびっくりした。
自分ではかなりの本を読んだつもりでいたからだ。
すべてを覚えているわけではないが、自分の中にたしかに読んだ本の欠片たちが残っている。
考えてみた。
理由はあった。
一番は図書館の利用が多かったこと。
7年前まで10年勤めた会社の近所には充実した図書館があった。
二番目は、売ってしまった本があるということだった。
それも、もう手元におく必要もなくたいした執着のない本の欠片は自分の中にはほとんどない。
残っているのは、貧乏していた時期やむにやまれず手放した本たちの欠片なのだ。
読んだ記憶も鮮明で、とても好きだったのに手元にない。
とたんに寂しさがこみ上げてきた。