受験生 ●学生(14)
今年の夏、僕は彼女に告白した
飛び抜けて美人って訳でもなく勉強が出来るわけでもない
ただ彼女は真面目すぎるのが玉に瑕だ
皆が黙っていると発表し、皆が掃除をさぼっていれば真面目にする
そんな彼女を皆は良いように思っていない
自分達の背徳感を認めたくないんだと思う
当然、彼氏になった僕をからかおうとする輩が出てくる
初めのうちは無視していた
でもこの間ばかりはからかってきたI君と喧嘩をしてしまった
僕だけならまだしも彼女まで中傷したからだ
君は身体もがっしりして力も強いまず勝てない相手だった
案の定負けた悔しかった
喧嘩した後も平然と僕を笑い者にしている
君にも…たった一人の女の子も守れない非力な自分にも…苦しかった、泣きたかった
でも泣きたくなかった
必死に我慢した泣いたら自分の中の何かが壊れてしまいそうだったから…
後日、彼女に喧嘩の訳を話した
彼女はしばらく考えていたが、優しく言ってくれた
「ありがとう、私大丈夫だから…」
瞬間涙が止まらなくなった
今まで我慢していた物がどっと出てきた
泣いた小学校以来、初めて人前で泣いた彼女の手の中で暖かさを感じながら、I君の心の冷たさを思い出した
僕はあんな人間にはならないそう心に固く誓った