江夏の21球

《PR》

オールドファン  ●会社員(49) 


広島・近鉄の日本シリーズ
近鉄最終回の攻撃。
バッター・近鉄の石渡、ピッチャー・ストッパー江夏。


スクイズを見破った江夏は変化球の握りから大きくボールをはずした。
石渡はバットに当てることすら出来ずにスクイズ失敗。
そして最後は江夏のカーブに石渡のバットは空を切りジ・エンド。
その時の近鉄の監督は悲運の名将と言われた西本監督であった。

左投手の江夏に三塁走者の動きが察知できたのかどうか本人でないのでなんとも言えないが、江夏はその回顧のなかではそれと分かったと言っている。
変化球の握りのままボールを大きくはずしたとも。
あの一球でシリーズの命運が決まったのだけは確かである。

勝者と敗者、いつの世にも見かける光景であった。
その後、石渡は巨人に移って行った。
移籍後石渡は一つ大きな仕事をした。
翌日のスポーツ紙の表紙を大きく飾ったのは石渡の二文字だった。