「東京オリンピック」

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山根青眠  ●会社経営(52) 


中学生の頃だった。
軽快な行進曲だった。
赤と白のコスチュームに身を包んだ日本の選手達がまぶしかった。

赤と白は日本の色だった。
日本晴れの光の中で映えていた。

ウエイトリフティングでバーベルを持ち上げた選手が歓喜の中で、片足をひょいと上げておどけて見せた。

BUT でも もう記憶はほとんど薄れて来ている。
テレビの前で食い入るように見ていた家族がいた。
まだまだ豊かとは言えなかったが、テレビが家の中心にあった。
小さなテレビ画面の向うに見えていたのは躍動する日本の姿だった。

みんなが日本の明日を信じていた時代だった。
胸をわくわくさせて最後まで見入っていた。