団塊の世代のみなさん、そうではない50代・60代・70代・80代以上の皆さん、こんにちは”アキラ”です。
今回は、知り合いから寄せられた文章を紹介します。
昔は、電球を買うにも、エアコンを買うにも近所の電気屋さんに行って、購入したり取り付けてもらったものでした。
しかし、ここ数年で状況はガラっと買わってきました。
私も、楽天やamazonで購入は当たり前になっているので、家電量販店の現場の人の苦労を実感しました。
家電量販店に勤めていた私
私は某上場企業である、家電量販店に勤めてました。
私は数十年務め、今は別業界で働いています。
私は家電量販店にて、店舗規模にもよりますが概ね「店長代理」でした。
店長にはなりたくなかった。
店長の激務さを知っていたから。
皆さんは知らないだろうが、この業界はとても厳しく(私の勤めていたところしか経験はありませんが、概ねわかります)、競争が激しく精神的にものすごいプレッシャ-を受け止めなければなりません。
その一番上の「店長職」は、すべてを背負う事となります。
精神的な重圧は皆さんの想像を、はるかに超えるものです。
- 「自殺」に追い込まれた方もいます。
- 「うつ病」になって、つぶれた方もたくさんいます。
私も「うつ病」になりました。
しかしこの病気は環境がすべてです。
今の職場ではその症状は出ません。
それほど家電業界は厳しいのが現実です。
ネットショッピングが台頭してきた理由
本題に入りますが、今やネットショッピングは当たり前となっており、一昔前までの「ご近所さんの電気屋」と言う事言葉は、「死語」となってます。
ここでネットショッピングがここまで台頭してきたのは、大まかにはこれらが挙げられます。
- 実店舗が無いので、店舗の経費が掛からない。
- 従業員が少なくて済む。
- 保障はすべてメーカー保証、または委託によるのでそれに殉ずる経費が掛からない。
- 物流システムがネットワークに因って構築されておりコストを抑えられる。
- 宣伝費用が安い。(各家庭のパソコンにバナー広告を貼ったり、ポップアップで宣伝できる)
- 店舗に行かなくても購入できる。
- ポイントなどのサービスが充実している。(この事に因ってポイント消費のための再購入が見込める)
ではデメリットを上げてみましょう。
ネットショッピングのデメリット
- エアコンなどの取り付けがあるものに弱い。
- 設置しなければならない商品に弱い。(これはお年寄り、電気機器が苦手な方)
- 実店舗が無いため、電話での応対となる。
- 使い方が解らなくても、すぐに問えない。
- 修理にすぐに対応、または交渉が困難。
- 店舗ではなじみと言う立場を利用できたりするが、ネットではそれは通用しない)
大まかにはこれくらいでしょう。
現在存続する家電量販店は、ネットショッピングの大手である、「楽天」、「アマゾン」、「ヤフー」に抑えられていて、今の時点では完全に売り上げはネットショッピングにもっていかれている状況です。
家電量販店が生き延びるためにしたこと
そこで家電量販店が今売ろうとしているのが、設置を必要とする商品です。
- リフォーム
- 電化機器
- 電気給湯器
これらは設置と見積もりがどうしても必要であり、ネットでは購入するのが不安な商品群です。
ですが、これだけでは家電量販店は生き延びてはいけません。
売り上げは家電を数多く売らなければ利益は出ません。
そこでどうしたでしょうか?
- 店舗を削減しているところ
(採算が取れない店舗の閉鎖)。 - 従業員を減らす
(修理なども外部委託し、正社員を減らす)。 - 残業を極力「ゼロ」に持っていく
(このとき残業を無理にさせサービス残業にした場合、告発を受ける可能性を今では極力避けたいため)。
私が以前勤めていた、全国的に有名な家電量販店も内情は火の車となっています。
設置の知識が無くても大丈夫な黒物家電
家電には「白物」(冷蔵庫、洗濯機、電子レンジなど)と、「黒物」(AV機器機器、テレビ、ブルーレイ、パソコンなど)に分けられます。
このうち「黒物」家電に於いては、余り設置の知識が無くても大丈夫なものが多く、一方「白物」家電は比較的設置が実用なもの、重い物が多い特徴があります。
分類はこうだが実際に売り上げに貢献するのは、「黒物」家電です。
一昔前は、「テレビ」、「ビデオ」が家電業界では花形でした。
それに買い替えサイクルが早いので、新商品がでたら買い替える場合も多いのです。
それに比べて「白物」家電は、買い替えサイクルが、おおよそ10年のスパンとなっています。
持たせる家庭では「20年」は持たせるでしょう。
20年も持ってもらってはお手上げです。
しかし「黒物」家電は、今や「楽天」、「アマゾン」に持っていかれている状況です。
家電量販店の将来は、非常に暗いのが現実
家電量販店の将来は、非常に暗いのが現実です。
そこに勤めている従業員も、危機に追い込まれているが大半の人間はその事をわかっていません。
上場企業だから、大丈夫だと思っているのです。
上層部はその事に「危機感」を持ち、従業員にプレッシャーをかけています。
しかし最近の若者は昔のような一つの会社に入ったら、一生勤めあげるといった考えは無く、嫌なら辞めていきます。
有能な人材をも損なう事となるのです。
これからの展開を再構築する決断を求められているのが、「今の家電量販店」ではないでしょうか。